運動をする習慣がない人には、ウォークングをおすすめしません
運動習慣のない人には「ウォーキング」をおすすめしない理由について、実は「血流をよくすることが重要」という理由があります。
年齢を重ねると、「血圧・血糖値・血管年齢・体脂肪率」といった数値に気にする必要がなくなる人が減ってきます。
しかし、これらの数値に問題があっても、それをコントロールするための運動習慣を持つこともできず、運動をすること自体が面倒くさいと感じる人が大勢存在します。
こうした人にもポジティブな効果をもたらす、「メディカル・エクササイズ」と呼ぶべきストレッチがあります。
ウォーキングやラジオ体操は、運動経験や体力の有無に関係なく、誰もがすぐに始めることができる全身運動です。
「効率よく短時間で全身の血流を増やし血管を強くする」という観点から言えば、循環系ストレッチの方が断然おすすめです。その理由を説明しましょう。
まず、ウォーキングは多くの筋肉を使いますが、動かす部位と動かさない部位が混在しているという欠点があります。
例えば、姿勢を維持するために背中の筋肉も働きますが、脚と比べるとあまり動きません。
また、単一の動作を長時間繰り返すと、筋肉量の少ない人ほど動かす部位に負担がかかりますので、長時間続けると股関節や膝を痛めるリスクも生じる可能性があります。
ラジオ体操は、わずかな時間で多くの動きをするため、動きのバリエーションが豊富です。
しかし、同じ動作を繰り返す回数が少ないため、循環系ストレッチで行う10回や20回のような回数と比べると、狙った筋肉の血流の増加と血管の強化効果は低下します。
以上がウォーキングやラジオ体操をおすすめしない理由です。
自宅で行える運動としてヨガが主流ですが、ヨガの本来の目的は精神修行ですので、血液循環を即座に向上させるとは限りません。
運動を選ぶ際には、どのような目的を果たすために行うのかという点を重視しましょう。
循環系ストレッチは、下半身にはスクワットやランジのような動きを行い、上半身には前後や左右、ひねりなどさまざまな動作を組み合わせています。
これにより、多くの筋肉を大きく動かすことができ、血液循環を迅速かつ効率的に促進する効果があります。
また、動作を変えながら行うことで、けがのリスクも最小限に抑えられます。
もちろん、ウォーキングやヨガも悪いというわけではありません。
ただ、時間を有効に活用するためには、目的に合った運動を選び、効率的かつ最大の効果を得ることが重要です。
ウォーキングやヨガが好きな方であれば、循環系ストレッチを事前に行うこともおすすめです。
すると、動作がよりスムーズになり、健康効果も向上するでしょう。
特に弱っている体の場合は、循環系ストレッチがより効果を発揮するという結果もあります。
データからも明らかなように、運動習慣がなく、むしろ体力が低下している方のほうが、より高い効果を得る傾向があります。
モニターの方々がまったく運動をしていなかったという状況でも、筋肉量だけでなく骨密度も増加し、逆に体脂肪は減少していました。
これらの結果は、私自身も意図していなかったものであり、新たな発見となりました。
循環系ストレッチは、「動的ストレッチ」として分類されるエクササイズなので、強度は低く、筋力トレーニングやダイエットほどの効果は期待できないと思われていました。
しかし、おそらく下半身の動きを最低限取り入れることにより、全身の血液循環の改善が促され、結果として筋力の向上や体脂肪の燃焼につながったのかもしれません。
この結果から、疾患を抱えているモニターの方々は日常生活での活動量が非常に低いことがわかります。
これは運動習慣のない人やあまり活動的でなく血流が低下している人ほど、多くの良い変化が期待できることを意味します。