「思秋期」は、40~60歳あたりに訪れる人間の体と心の変化の時期です。
この時期には、大人から老人へと変わっていく過程であり、いわゆる「更年期」とも言われています。
思春期とは、10代の頃に訪れる時期であり、人間は子どもから大人へと成長していきます。
思秋期では、大人から老人へと変化していく過程であり、自分の性を失ってしまわないように心掛けることが重要です。
この時期を無為に過ごしてしまうと、自分の性的な意味だけでなく、早く老化してしまう可能性もあります。
男性は男性ホルモンを、女性は女性ホルモンを保つことが、それぞれの性を保つために必要です。また、ダイエットをすることで人は老化するという意見もあります。
その中でも、特に興味深いのは、「50歳になり一気に老ける人と若々しい人の差」です。性ホルモンの保持やダイエットによる老化の違いに注目しています。
若々しくいる人たちは、自身の性ホルモンをきちんと守り、枯れさせないようにしているのです。
つまり、私たちが老いを遅らせたいと思うのであれば、思秋期から始まるホルモンバランスの変化を遅らせる必要があるのです。
以前に比べてホルモンの衰えが遅くなったとは言え、ただ年を重ねているだけでは、個人差が大きく現れます。
だからこそ、特に注意が必要なのが思秋期以降のダイエットなのです。
以前はダイエットはアンチエイジング術の一つだと思っていましたが、逆に「ダイエットすると逆に老ける」と説明されています。
若さを維持するためには、体内で性ホルモンが適切に分泌される状態をキープしなければなりません。
しかし、そのために必要なタンパク質やコレステロールの摂取量を減らしてしまえば、自ら老化の道を歩むことになってしまいます。
また、タンパク質が不足すれば、髪の毛の抜け毛や肌のざらつきの原因になってしまいます。
美容にも好ましくありません。実際、日本の食事は欧米化してきたと言われていますが、肉の摂取量はまだまだ欧米人よりも低いのが実情です。
このように、食事を制限することは、必要な栄養素まで不足させる結果につながると述べており、たとえばタンパク質の例で言えば、日本人は1日に120〜150gくらいの肉の摂取量を増やすべきだとも書かれています。
それゆえ、体の形を気にしすぎて思秋期からダイエットを行うと、生活の質(QOL)を損なうだけでなく、老化を進めてしまう可能性があります。
場合によっては寿命までも縮めてしまうことになるため、注意が必要です(本書では提案されています)。足りないことは余っていることよりも悪いのです。
『食べすぎ』よりも『食べない』ということによる害」ということは、食べ物に含まれるビタミンが私たちの代謝に関与し、体調を良好に保つ役割を果たしており、また、タンパク質は私たちの臓器や筋肉、皮膚などを構築するための材料になります。
同様に、コレステロールはホルモンや細胞膜の材料として必要ですし、ブドウ糖が足りなくなると脳が適切に機能しなくなります。
私たちが「美味しい」と感じるのは、甘みやうま味(アミノ酸やタンパク質)であり、これらは私たちにとって必要不可欠な栄養素です。
つまり、私たちの体が食べたいと感じるものは、体がそれを必要としていると言えます。
私自身もそう考えており、食べたいものを食べるようにしています。
また、さまざまな種類の食べ物を摂ることで、微量栄養素の偏りがなくなり、不足が生じないとされています。
実は、私たちの体にとって「不足している」ことは、「過剰な状態にある」ことよりも害を及ぼします。
それだけでもかなり衝撃的な情報です。
50歳前後はホルモンの減少が起こる時期と言われています。男性も女性も、体も心も大きな影響を受けます。その時期にどのような対策を取れるのか、50歳前後はまだ人生の半分です。