妊娠中には飲んではいけないサプリメントも存在します。
妊娠中には赤ちゃんの安全が最優先であり、危険な成分を摂取するべきではありません。
しかし、赤ちゃんの健康を考えて補給するという意見もあり、どのサプリメントを摂取すべきか迷うことでしょう。
私も妊娠した際には、どのサプリメントを飲み、どのように摂取すべきか悩んで情報を集めました。
今回は、赤ちゃんの安全を守りつつ、赤ちゃんとお母さんの健康をサポートしてくれる信頼できるサプリメントと、赤ちゃんに悪影響を及ぼす可能性があるサプリメントを紹介します。
妊娠中でも安心して飲むことができるサプリメントの成分についてご紹介します。
妊娠中のサプリメントは、バランスの良い食事にプラスアルファとして利用することをおすすめします。
妊娠中には、お母さんの不調をサポートしてくれる成分や赤ちゃんの成長に必要な成分がたくさん必要になります。
妊娠中でも安心して飲むことができる特徴的なサプリメントは、お母さんの不調をサポートしてくれる成分を含んでいます。
妊娠中最初の試練であるつわりには、ビタミンB6が効果的です。
つわりの緩和には、耐容上限量(45mg/日)を超える75mg/日のビタミンB6が処方されます。また、つわりによる栄養不足から赤ちゃんの脳への影響を予防するためには、ビタミンB1も重要です。
ビタミンB群の栄養素は、妊娠初期の先天障害予防はもちろん、妊娠中の様々なトラブルの緩和や母体と赤ちゃんの健康を守る効果が期待できます。したがって、妊娠中にはビタミンB群を摂取することが重要です。
妊娠中のサプリメントは、お母さんと赤ちゃんの健康をサポートするために適切に利用することが大切です。ただし、医師や専門家に相談することを忘れずに、摂取するサプリメントの成分や効果を確認しましょう。
サプリメントには、ビタミンB群ごとに取り入れるものもありますが、ビタミンB群は互いに補完しあって働く性質があるため、ビタミンB群がまとめて含まれたサプリメントがおすすめです。
妊娠中期から後期によく起こるトラブルの一つとして便秘があります。妊娠中はホルモンの影響で大腸の動きが抑えられることや、子宮が圧迫されることで腸の動きが制限されるという理由があります。
しかし、妊娠中はハーブ系の便秘薬の使用は避けるべきです。そんな時に役立つのが腸内環境改善成分です。
乳酸菌、食物繊維、オリゴ糖などが該当します。
これらの成分は体内で吸収されずに腸内で働くため、赤ちゃんに影響する心配はありません。むしろ、腸内環境が整うことで母親の免疫力が向上し、妊娠中の感染症予防などに効果が期待されます。
妊娠中でも安心して摂取できるサプリメントの特徴
赤ちゃんの成長にともなって必要量が増加する栄養素である鉄とカルシウムを含んでいることです。
鉄は肝臓に、カルシウムは骨に蓄えられます。すべての母親が貧血や骨粗しょう症になるわけではありませんが、赤ちゃんの成長に必要な鉄とカルシウムの量は通常の食事だけでは明らかに不足しています。
そのため、貧血や骨密度の低下がなくても、妊娠中に補給しておくことで産後の母親の健康を保つことができます。
さらに、最近では日本人全体でビタミンDの不足が心配されています。
ビタミンDは食事から摂取する他に、皮膚が紫外線を浴びることで合成されます。
しかし、室内で働いたり、日焼け止めを塗ったりすると、ほとんどビタミンDを合成することができません。
また、妊娠するとシミができやすくなるため、美容のために紫外線を避ける傾向があります。つまり、妊婦さんはビタミンD不足になりやすい生活環境に置かれているのです。
こうした事実から、母乳で栄養を与えられた子供たちの中で、ビタミンDが不足し、くる病と呼ばれる病気を発症する子供が増えています。
ビタミンDは、骨にカルシウムが定着するために欠かせない栄養素です。
さらに、ビタミンDの不足は免疫力を低下させることや、さまざまなホルモンの働きにも影響を及ぼすことがわかっています。
妊娠中に風邪やインフルエンザにかからないためにも、ビタミンDの濃度を適切に保つことが非常に重要です。
ビタミンD濃度を高めるためには、日焼け止めを塗らずに日光浴をすると良いです。
手や足の露出だけでも効果があります。また、いりこなどの小魚を丸ごと食べることも効果的です。
また、ビタミンDのサプリメントも利用することができます。以前は、「脂溶性ビタミンのサプリメントは赤ちゃんに危険」という信念が広まっていましたが、現在はビタミンDの不足が深刻化しているため、耐容上限量である100μg/日(4,000IU)を超えない範囲で摂取しても赤ちゃんに悪影響を与える心配はありません。
これらの栄養素は、普段の食事でも摂取することができます。
まずは食事のバランスを改善することに気を付けましょう。
そして、食事だけでは十分に補うことが難しい場合や特に不足が心配な場合は、サプリメントを利用することをおすすめします。
妊娠中でも適量であれば、特に問題のない成分があります。
これらの成分には、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンK、亜鉛、マグネシウム、β-カロテン(体内でビタミンAに変換される)、DHA/EPAなどが含まれます。
ビタミンやミネラルは、日本人の食事摂取基準2020で示されている耐容上限量を超えなければ、ほぼ問題ありません。赤ちゃんの健康を考えて適切な量を摂取することが大切です。
耐用上限量が設定されていない栄養素(たとえばビタミンB1など)は、摂取しても排泄されたり、健康上の問題が報告されていない栄養素です。
妊娠中には避けるべきサプリメント成分として、ハーブ系やホルモンバランスに影響を与える成分があります。
特に注意すべき成分として、
ビタミンAが挙げられます。
ビタミンAは体の維持に必要な栄養素ですが、妊娠初期に摂り過ぎると胎児の臓器形成に悪影響を及ぼす可能性があります。
ただし、植物由来のカロテノイド(β-カロテンなど)には注意が必要ありません。
日本のサプリメントのほとんどは安全なカロテノイドを使用しており、赤ちゃんに影響を及ぼすような量のビタミンAは含まれていません。
しかし、海外のサプリメントにはレチノール(ビタミンAの一種)を含むものがあるため、注意が必要です。
個人輸入したサプリメントやビタミンAが豊富な食品(例:レバーやウナギ)を摂取する際には、十分に注意しましょう。
次に、注意が必要な成分として薬効が期待されるハーブがあります。
ハーブは少量のスパイスとして使用する分には大きな問題はありませんが、大量に摂取することで影響が出ることがあります。
これは、ハーブが直接赤ちゃんの体に影響を与えるのではなく、子宮を収縮させる作用などによって早産のリスクが高まる可能性があるためです。
一般的に妊娠中に危険性が報告されている成分には、アロエ、サラシア、ダミアナ、モリンガ、フィーバーフューなどがあります。
最後に、女性ホルモン様物質を多く含む植物も注意が必要です。
これらの植物は女性ホルモンを補う成分として知られており、例えばブラックコホシュ、レッドクローバー、プエラリア、大豆イソフラボン、チェストツリーなどが挙げられます。
妊娠中は、女性ホルモンのバランスが急激に変化するため、非常にデリケートなバランスが必要です。そのため、これらの植物を摂取することは避けるべきです。
ですから、自分の体の力を信じて、バランスを妨げないように、これらの成分は避けるようにしましょう。
サプリメントにはまだまだたくさんの成分がありますよね。
ここに紹介されていない成分に関しては、どうするべきか考えてみましょう。
妊娠中は、基本的に「分からないものは使用しない」ことが重要です。
スマホを使えば簡単に検索することができるので、妊娠中にサプリメントを摂る前に、特に今回取り上げられなかった成分について調べることが必要です。
「この成分は安全なのかな?」と疑問に思った場合は、『
健康食品の安全性・有効性情報』というサイトで検索してみましょう。 (検索結果から参照したい成分を選び、注意書きを読んで、「同意する」ボタンをクリックすると、成分情報が表示されます)。成分情報の画面で、「すべての情報を表示」と書かれているボタンを押すと、詳細な有効性と安全性に関する情報が表示されます。
確認したいのは、下の方に記載されている「危険情報」です。
ここには、妊娠中や授乳中についての安全性に関する情報が掲載されています。「おそらく危険」と書かれている場合は、自己判断で使用すべきではありません。
「十分な情報がない」と書かれている場合は、安全性がわからないことを意味します。
医学と科学が進歩しているのに、なぜこのような状況なのかと思われるかもしれませんが、倫理的な理由から、妊婦を対象に危険性を確かめるための実験は行われていません。
危険な成分に関する情報は、使用したことで被害が報告されている場合にのみ作成されます。
つまり、妊娠中に安全性が確認されていない成分を使用することは、赤ちゃんと自分の体を実験台にすることと同じです。幸運にも危険な状態に陥らなければ良いのですが、不運な場合、後悔し続けることになる危険性が潜んでいます。
したがって、妊娠中は分からないものは使用しないというスタンスが非常に重要です。
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